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犬の副腎腫瘍

■ 副腎ってどこにあるの?

副腎(ふくじん)は、左右の腎臓のすぐ上にある小さな臓器で、体の中のホルモンバランスを整える大切な役割をしています。ストレスに対する反応や、血圧、血糖、水分バランスなどを調整するホルモンを作っています。

■ 副腎腫瘍とは?

副腎に「しこり(腫瘍)」ができる病気です。腫瘍には「良性」と「悪性」がありますが、どちらの場合も体にホルモン異常が起こることがあります。

副腎腺腫・副腎腺癌・褐色細胞腫。その他の腫瘍の転移に分類されます。

■ どんな症状が出るの?

副腎腫瘍はホルモンを異常にたくさん出すことがあり、それによって次のような症状が出ます:

  • お水をたくさん飲む、尿の量が増える
  • 食欲が異常にある
  • お腹がポッコリする
  • 毛が抜ける、皮膚が薄くなる
  • 元気がない、歩き方がふらつく(ホルモンの種類による)

※ 無症状のこともあり、健康診断や超音波検査で偶然見つかる場合もあります。当院でも健康診断の際に見つかることが多いです。

■ どんな検査をするの?

  • 血液検査:ホルモンのバランスを見るための特殊な検査を行います。
  • 超音波検査(エコー):副腎の大きさや形、腫瘍の有無を確認します。
  • CT検査:腫瘍の大きさや周囲の血管への影響を詳しく調べます。

■ 治療はどうするの?

腫瘍の種類や症状の強さによって治療方針が変わります。

  • 手術:腫瘍を摘出することで根本的に治療できますが、高度な技術と設備が必要です。
  • 内科的治療:ホルモンの異常を抑える薬を使って症状をコントロールします。
  • 経過観察:無症状で腫瘍の成長がゆっくりな場合は、定期的な検査で様子をみることもあります。腫瘍の拡大、血管への浸潤が見られた場合には手術を提案しています。

■ 予後(よご)について

  • 良性であれば、手術によって治る可能性が高いです。
  • 悪性の場合や他の臓器へ転移している場合は、慎重な対応が必要になります。抗がん剤治療を併用する場合もあります。

副腎腫瘍は見つかってもすぐに命にかかわるものではないケースも多いですが、早期発見と適切な対応がとても大切です。気になる症状がある場合や検査で副腎に異常が見つかった場合は、詳しくご説明しながら一緒に治療方針を決めていきます。

実際に手術で摘出した副腎腫瘍