2025/05/16
■ 副腎ってどこにあるの?
副腎(ふくじん)は、左右の腎臓のすぐ上にある小さな臓器で、体の中のホルモンバランスを整える大切な役割をしています。ストレスに対する反応や、血圧、血糖、水分バランスなどを調整するホルモンを作っています。
■ 副腎腫瘍とは?
副腎に「しこり(腫瘍)」ができる病気です。腫瘍には「良性」と「悪性」がありますが、どちらの場合も体にホルモン異常が起こることがあります。
副腎腺腫・副腎腺癌・褐色細胞腫。その他の腫瘍の転移に分類されます。
■ どんな症状が出るの?
副腎腫瘍はホルモンを異常にたくさん出すことがあり、それによって次のような症状が出ます:
- お水をたくさん飲む、尿の量が増える
- 食欲が異常にある
- お腹がポッコリする
- 毛が抜ける、皮膚が薄くなる
- 元気がない、歩き方がふらつく(ホルモンの種類による)
※ 無症状のこともあり、健康診断や超音波検査で偶然見つかる場合もあります。当院でも健康診断の際に見つかることが多いです。
■ どんな検査をするの?
- 血液検査:ホルモンのバランスを見るための特殊な検査を行います。
- 超音波検査(エコー):副腎の大きさや形、腫瘍の有無を確認します。
- CT検査:腫瘍の大きさや周囲の血管への影響を詳しく調べます。
■ 治療はどうするの?
腫瘍の種類や症状の強さによって治療方針が変わります。
- 手術:腫瘍を摘出することで根本的に治療できますが、高度な技術と設備が必要です。
- 内科的治療:ホルモンの異常を抑える薬を使って症状をコントロールします。
- 経過観察:無症状で腫瘍の成長がゆっくりな場合は、定期的な検査で様子をみることもあります。腫瘍の拡大、血管への浸潤が見られた場合には手術を提案しています。
■ 予後(よご)について
- 良性であれば、手術によって治る可能性が高いです。
- 悪性の場合や他の臓器へ転移している場合は、慎重な対応が必要になります。抗がん剤治療を併用する場合もあります。
副腎腫瘍は見つかってもすぐに命にかかわるものではないケースも多いですが、早期発見と適切な対応がとても大切です。気になる症状がある場合や検査で副腎に異常が見つかった場合は、詳しくご説明しながら一緒に治療方針を決めていきます。
実際に手術で摘出した副腎腫瘍